君の住む街角―アクマでも、キミがキライ。Extra


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永遠の片思いでも 心から君を大切に思う

「アクマでも、キミがキライ。」の番外編。
リヴァミカ前提のジャン→ミカ。

本人は全くそうとは知らず、とてもとても残酷なことをしてしまうミカサ
 と、
実はそうさせるトリガーを自らひいてしまったジャン
の、短いお話。

リヴァミカスキーだけどジャンも好き。

谷山紀章‏ @kishownstarmaps · 6月11日
ミカサを助けたジャンがイカしてる。あのシーンを演じられて嬉しかった。男の子が好きな女の子を守る時ってああなるはずさ



この紀章さんのついーと。演じられて嬉しいというコメントで泣きそうです。ジャンが紀章さんで良かった…良かった(泣)。このシーンも泣いた。というか、二期はずっと毎回アホみたいに泣いてた。

永遠の片想い。リヴァミカスキーの私が書くと尚更そうなってしまう。んだけど。なんか書いておきたくなった。

ジャンはいい子だと思う。幸せになって欲しいなあ。いや、コレ書いた私は真っ先に不幸にしてんのか?
片想いでも、真っ直ぐでやさしくて可愛くてかこいいジャンを書いておきたかったっす。
ジャンと結ばれる女の子がいるとしたら、ものすごくしあわせでものすごくつらい思いをしそう。
自分のことを大事にしてくれるけど、心の中のどこかに彼には振り向かない黒髪の女の子が居る、みたいな。

私の少女まんが脳がさくれつ。

ミカサがどんなにエレンだけを見つめていても、危険に晒されたら助けようとするとかどんだけ男前なんだよう(そしてリヴァミカスキーな私によってまたも片想いにさせられてしもた…)。泣かせるなよー。その後ジャンを護ろうとするアルミンで更に号泣させられた。なんなの「進撃」!!

大澤誉志幸の「君の住む街角」は名曲だ…。男性の片想いをメロウに歌ってるんだけど、泣ける。曲流しながら打ってました(笑)。

ジャンはミカサが振り向かなくても好きになってくれなくても、責めたり恨んだりしないで心配してあげたり気遣ったりしてあげそうな気がします。笑顔見られただけで嬉しくなったり。とか。
つらいのにどこか前向きな片想い。私の中のジャンはどんだけ株上がってんだ…。
立体機動のセンスピカイチだからきっと車の運転とかも上手いんじゃね? っていう。

アメリカって免許取りに行くって時に、そのこれから取る本人が車転がしたりするからすごいなーと思います(笑)。どうやら16歳で取れるみたいです。ミカサは誕生日遅いからまだ取れない…。

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「な、なあ、ミカサ!」

少しだけ上ずった声が響いた。車の窓を開けて、身を乗り出し気味に顔を出していたのは、もはや見慣れた顔だった。
ミカサは立ち止まった。相手を見て、小さくため息をつく。またあなたなの、と言いたげに。

「なに」
「帰るんだろ。送ってってやるよ。見ての通り! 俺、免許取った!」

めげないひとだな、とミカサは思う。特に親切にもやさしくもしたこともないのに、ちょっと悪人面なこのひとは、懲りもせずに声をかけてくる。
不良ぶっているように見えるものの、実はそれほど不良という訳でもないらしいことは、態度でわかるようになった。そして、それほど悪いコでもない、ということも。

「いい。気にしないで」
「結構運転上手いから。マジで。初心者には思えないレベル!」

真剣な顔で言われても。

「そう。気をつけて帰ってね」

ジャンは思わず呆けた。あのツレないミカサが気をつけて帰れと言ってくれた! そっけない。実にそっけないのだが。それでも嬉しい。

「いや、送らせて、ほしいんだけど。あの、ヘンなこととか、しねえし。車手に入れたりすると、車にもチョーシにも乗りてえの。それに付き合ってくんねえかなーって。そんでそっちは家までの距離稼げるんだから、win-winだろ?」

理屈が通っているのかいないのか。ミカサはぼんやりと見つめる。

「ほかのコを、誘ってあげたらいいと思う」
「ほかはみんなちゃんと帰れるしょ? ミカサ、最近オヤの送迎じゃなくね? スクールバス逃したら、アウトっぽいし。だからさ」

意外に見られているものなのか。

「…………家じゃなく、別なところでも、いい?」

ミカサは折れるようにぽそりとつぶやいた。

「いい! 大丈夫! ちょっとナビは欲しいけど、行ける!」

ジャンは嬉しそうに目を輝かせた。
目的もなく車で流す、ということはしないのだろうか。ミカサは思った。よく免許を取ると、どこということもなく走らせたりすると聞いたりするのだが。
子供のようにはしゃいでいるジャンを見ると、ますますふだんのワルぶりたい態度に疲れを感じる。フツウにしてたらいいのに。

このひとも、そうでありたい自分があって、そんな風にしてるの? よくわからない。ほかのひとのことは。

「んじゃ、乗って! あ、ナビって欲しいから助手席な!」

後ろのドアを開けようとしたが、あっさりと封じられてしまった。なるほど、確かにどこに行って欲しいなどと伝えるのに、後部からでは聞き取りにくいかもしれない。
ミカサは助手席のドアを開けた。

ジャンは叫び出したいのをぐっとこらえる。やった! 初乗りはミカサだ!
助手席に最初に乗せるのは、好きな女の子、と決めていた。免許を取る前からそう思っていた。どんなに家族が乗せろと言っても助手席だけは死守した。

ミカサはするりと乗り込んだ。猫のようにやわらかくなめらかな動きに見える。如何にも女の子、というカンジがしてときめいてしまった。行儀よく足を揃えて車内に運び、スカートを調える仕草が妙に洗練されて見えた。
あ。なんかいいニオイする! 密室バンザイ!!

「で。どこまで乗せてったらいい?」

ミカサが答えた場所は、少し意外だった。住んでいるところから結構離れた地域なのだ。

「友達でも居んの?」
キィを回してエンジンをかける。ペダルを踏むとふかすこともなくなめらかに走り出した。ジャンは安堵した。かっこわりぃとことか見せたくねえし!

「ともだち、って言うか、……うん」
「ん? 親戚、じゃねえな、あ! もしかして、カレシとか?」

ミカサの様子をこっそり横目で観察する。うん、て言うなよ、ミカサ! そこはせめて気になってる男くらいにして!!

「カレシ、……カレ、……」

まるでことばの感触でも確かめるように、つぶやいている。少し恥ずかしそうな表情をしていて、いつも以上に可愛く見えた。

「え、ナニ、マジで!?」
「そういう訳では、ない」

いやいや、そういうワケだよね、その表情。マジで!? もしかしてあのいけすかねえエレン!?
ジャンは顔を強ばらせる。

「え、エレンってあっち住んでたっけ?」
「エレン?」

まるで見当違いだったらしい。ミカサはきょとんとしていた。

「エレンは、私の騎士」

お。来た。来たよなんかミカサっぽいのが!

ミカサには独特の世界がある。ジャンはそれとなく理解してはいたが、やはりオリジナル過ぎて戸惑ってしまう。その違和感をねじ伏せる可愛さと魅力が、ミカサにはある、とジャンは思っていた。クールでアタマいいし成績もいいし、そんで如何にも女子っぽく誰かとつるむとか、しねえんだよな。まあ、最近はあの無関心野郎とかオタクなアルミンと一緒だけど。

「騎士。って、なんの?」

さすがに、アナタを撃退するための呪いが生んだ、とはこの状況ではミカサにも言えなかった。

「私を困難な状況から救い出してくれる、騎士」
「そ、そっか」

ダメだ。なんかよくわかんねえ。話、変える…いや、戻して訊いてみるか。ジャンは深く息を吸った。

「あのさ。誰か、好きなヤツ、居んの?」

少し、心臓が痛い。ばくばくとムダに早鐘を打っている。

「そ、れは、その、……アナタには、関係ない」

すぐに、距離がなくなるはずもない。それはわかっている。でも、やはり少し辛い。「関係ない」。嫌でも胸に刺さった。

「そ、そうだけどさ……。答えねえってことは、居るんだ」

ミカサは赤くなって顔を背けた。窓ガラスに映る顔が、もっとはっきり見えりゃいいのに。

「そいつ、いいヤツ?」
「え」
「お前のこと、大事にしてくれそうなんだ?」

ミカサは落ち着きなく指輪をいじったりしている。

「なに、言ってるの」

やっぱ、可愛いよな。変わってんだけどな。すげえ可愛い。キレイだし。しかも今、ちょっとテレてんの。
でも、ソレ、俺にじゃ、ねえんだよな。俺以外のダレカ、なんだよな。

ジャンは自分の手足が思いの外自動的に動くことに感謝した。いちいち何をどうして、と考えずに、運転出来ている。
良かった。事故ることはねえっぽい。

「あの、あそこでいい」
「了解」

ミカサが指したのは、閑静な住宅地の角にあるこぢんまりとしたグロサリィだった。店の前に車を停めた。

「あの、今更だけど、あなたの家からかなり遠かったりする? だとしたら、ごめんなさい」
「いやいやいや、いいんだよ! 遠いからこそクルマだろ? 俺から言い出したんだし、どこでもいいって言ったんだから。気にすんなよ、な?」
「……ありがとう。すごく助かった」
「マジ? なら、良かった!」

ジャンは笑った。ミカサはその表情を見て、いつもそうしてればいいのに、と思った。ヘンにワルぶってるの、あんまり似合わないと思うんだけど。

「じゃあ。ありがとう。気をつけて帰って」
「さ、さんきゅ! お前も、帰り、気をつけてな!」
ミカサは改めて礼を言って歩き出した。ジャンは思いがけずまたも気遣いのことばをもらい、少し自分が舞い上がっていることに気づいて顔を赤らめた。

この辺、結構、いいとこだよな。そこそこ所得高い層が住んでるし。まさか、いいとこのぼんぼんみてえなのと、付き合ってんの? もしそうなら、なんか意外。い、いや、女友達かもしれねえし。……学校で誰かとしゃべってんの、あんま見たことねえけど…。

ジャンはしばらく駐車したまますらりとした後ろ姿を見つめる。ミカサは小奇麗なアパートの近くで立ち止まると、そこでぼんやり建物を見上げていた。

「なんだ? 建物見てんのか? 相手留守? いや、留守なら来たってしょうがねえし」

ミカサはどうやって帰るのだろう。タクシーでも拾うのだろうか。それとも、……正体不明、そもそもコイビトなのか片想いの相手なのかもわからない誰か、が送ってくれる、のだろうか。

歩いて帰るとか、ねえよな? 女がひとりでなんてあり得ねえぞ。この辺は治安いいかもしんねえけど、……。

アパートなんか見て、どうすんだよ。話し相手にすら、なんねえじゃん。

振り向くことのないミカサに声も出さずに話しかける。

俺なら、そんな風に、ひとりにしておかねえけどな。連絡欲しいなら、いっくらでも電話もメールもして、不安になんかさせねえのに。
毎日だって送り迎えするし、大事にすんのにな。行きてえとことか、どこだって連れてってやるのに。
なあ。お前の好きなそいつ、お前のこと、笑わせてやれんの?

ミカサはまだ見上げて立っている。

お前が好きなの、俺じゃねえ、んだよな。わかってんだけど。簡単に諦めらんねえ。
馬鹿みてえだって、自分でも思う。

ヤベ。俺、泣きそう。

ジャンは車から降りるとグロサリィに入った。喉が渇く。少し空腹も感じていたが、とりあえずは何か飲むものを買うのが良さそうだった。

「え。アレ」
店から出ると、ミカサの姿はなかった。

帰った、…は、考えづれえよな。待ってたヤツに逢えた、ってことか?

少し暮れてきた空を見上げた。

ちゃんと、無事に帰るよな? 帰れよ? そんで、明日またな。そっけなくてもいいから、いつものお前の姿、見せろよな。

缶から炭酸の効いたソフトドリンクを一気に呷った。空になった缶を地面に置こうとして、やめた。車に持ったまま乗り込む。

もう一度だけアパートを振り返ると、エンジンをかける。
車はゆっくりと向きを変えて、来た道を戻り始めた。
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