ねこへいちょう。2

「あ? 猫?」
凶悪な仏頂面。眼光鋭い三白眼。今この場に居てはイケナイこの男こそ、エレンたちの「上司」である「人類最強の兵士」ことリヴァイ兵士長そのひとである。
いたいけなコドモたちを正座させ、しばきまわそうとしているようにしか見えないのは気のせいだと思いたい。多分そう。そうだといいな。うん、お空キレイ。

(声がいつも以上に低い! 殺意しか感じない! 顔見る勇気が出ねえ!)
(だからそんな名前やめようって言ったじゃねえか!)
(オイコレやべえだろマジで……)
(芋なんて食べてないれふ!)ゲフッ
(ちびを探していたのにチビが来た。ちびがちびでちびのちびにちびちびちびちびちびちび……以下エンドレス)
(……ああ、今日がぼくらのおしまいの日か……。壁内で終わるんだ…いやいやいや、)

「あの、はい。兵長、その、一週間ほど前から、兵舎の外で野良猫を見るようになったんです」
アルミンがおずおずと説明を始める。ほかの104期生は固まったままだ。
「それがどうした」
「敷地内から追い出すのも可哀想で、自分たちの食事から少しずつえさをあげるようになって、その、」
「大した量もねえ食事から猫に恵んでやるたあ随分とご親切じゃねえか」
(おかしい、どうしても何聞いても「てめえら削ぐぞ」にしか聞こえねえ)
ジャンは真っ青になりながら背中に伝う汗の心地悪さを実感する。
「小さくて痩せてて可哀想でした」
ミカサがぽそっと呟く。
「開拓地で暮らしていた頃を思い出したんです。食べるものも満足にない、頼るひとも居ない」
リヴァイが黙って黒髪の少女を見つめた。
「すみませんでした」
「オレは別に咎めちゃいねえだろ。お前らがオレを呼びやがったように聞こえたから来てやっただけのことだろうが」
イヤイヤイヤイヤ! その割に殺る気満々ですよね! オレたち仕留めるつもりですよね!? 目が本気じゃないですか! 巨人前にしてる時とあんまり違わないじゃないですか!!

「似てたんです」
「……お前は主語やら何やら省き過ぎだミカサ。その残念な言語力どうにかしてこい」
「猫が、兵長に似てたんです。特に目つきが。だから私が兵長と呼んで、みんなそれに倣ってしまいました。小さい兵長なので、ちび兵長」
「ほう……」

:待てミカサ。お前何サラっと火にガソリンぶっこんでんだあああああああ!
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