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黒豹は夜を切り取らない。

20180922 ご質問頂いたのでお答え致しました~。

お付き合い、始めました。12

Categoryお付き合い、始めました。
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大変御無沙汰しておりました「お付き合い」12回目。11回目は何と昨年11月にうpしてた! クリスマス+兵長誕執筆真っ只中だった、ハズ。

ホントに久しぶり過ぎてちょっと読み返してきました(笑)。いえ、漠然とは憶えてましたけども!(ばくぜんと…?)ヒドい展開の果てにちょっとしんみりして終わってた。そうだったそうだった(大きな流れは忘れていないがどう繋げてきたかはうっすらしていたw)。

お笑い路線で書いてたのに、気づけばちょっとシリアスに寄ってしまっていやん。バカっぽいのがいいのにぃ!(思えば「ねこへいちょう」もバカ路線で書いてたのに最終的にはシリアスで終わったんだった…くっそ!)

上司と部下で互いに兵士。責任が常につきまとい、命の危険に晒される日々。そういつもいつもへっぽこな毎日のはずもなく。
でも、基本このおはなしはまったり気味に進むと思います。兵士としての生活もありながら、二人の関係性を深めて…いけるのかな、まあそういうカンジで。
時間軸は原作の中のどこかをむりやりびにょーんと引き伸ばしたどこか、ですね、そのままで、あり得ない、あってほしいふたりとそれを取り巻くひとたちの時間をちまちまっと書いていければなと思います。

11回目でアルミンが言ってた「リヴァイから注意・指導を受けるミカサ」のおはなしです。

大丈夫、原作ベースでシリアスなのもアタマにあるから! 原作から乖離して終わってるわけじゃないのよ!(多分)

よし、この調子で「りばい6歳」も続き書こうぜ!(えれん登場してりばいがいらっとしてるとこで止まってる…) 書けるなら「まおよめ」もいっとこうぜ(それ多分ちょっとムリ)。

この12回目と対になるリヴァイ視点の13回目も、調子がよければすぐに書こうかと思います。…が、何分気分屋というかその時のテンションだとかで書きたいもの・書けるものが違うので、あくまでも希望的観測と予定です。

読み返したらちょっと楽しかった(笑)。兵団が舞台なのにレンアイモノしてるwww さすがのしょうじょまんが脳だと実感しましたw
もちろん、今回もがっつりしょうじょまんがです(えーw)。

20180415→
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「何で居残りなってるか、わかるな」
「……はい」

いずれの声も低い。リヴァイの声は硬く、ミカサの声は小さく響いた。腕を組み、いつもの不機嫌そうな顔で兵士長が立ち、その前でミカサが項垂れていた。
ほかの兵士たちは訓練を終えて去っていった。少し名残惜しく振り返ってしまったのは、ミカサが残されたからだ。あの優秀なミカサが兵長に残れと言われた! どんなことを言われるのか気になる! あの場に居て、ミカサが大きな失態を演じたと思った者は皆無だった。内心では誰もがエレンに気を取られたのを見咎められたのでは、と予想していたのだが。あまりにもいつものことで、つい「それほど気にすることか?」と思ってしまっているのが怖い。何しろミカサは暴走さえしなければ新兵、ひいては兵士全体で見ても抜きん出て有能なのだ。実績も実力もある。まだ壁外調査未経験でありながら、ひとりで巨人を掃討出来た新兵などそうは居まい。
ハンジも既に引き上げていた。好奇心に満ちた視線をリヴァイとその「可愛い部下」にしっかりと投げかけるのを忘れなかった。おそらく兵舎に戻ればハンジからあれこれと穿鑿されるのだろう。リヴァイは脳裏に面白がる眼鏡越しの瞳が浮かんで内心舌打ちをした。

「壁外から帰ってきた後も、言ったことなかったか」
「憶えています」

ミカサは俯いたままだった。
当然、憶えている。上司でもあり、今となっては誰よりも信頼を寄せ、エレンやアルミンとはまた違う「特別」な存在になってしまった男の言うことなど、……何ひとつ忘れずに憶えている。

「エレンを護る、そりゃ結構だ。あいつは今となっちゃ兵団の切り札だからな。だが今日の訓練は何だ」
「巨人の緊急討伐中に奇行種が合流、上官の指示に従って、右翼、退路の確保確認、左翼中心として中央班の斬撃による迎撃準備及びその補佐による討伐と、その後の後方部隊との連携による退避と共に索敵陣形再編成を目指す作戦を想定した立体機動訓練です」
「諳んじてんのか。たいしたもんだ。だが訓練とは言え作戦だ、実行出来なきゃ意味がねえ。違うか」
「……いいえ」

森の中の演習場で兵士たちが巨人サイズの人型の板を動かし、あるいは高所からの予期せぬ攻撃を模した布製の丸太などによる振り子操作をする中、訓練参加者は上官の指示に従うべきところと個々人の判断力による動きそれぞれが必要であることを実践で学ぶ、というのが本日最重要実習の主眼だった。
リヴァイやハンジはあくまでも隊列を視察・観察しながら足りていない行動やそれぞれの兵士の動きを確認してゆく。実習そのものには参加しないまでも、立体機動装置をつけ、隊の動きに添って移動した。兵士長と分隊長の二人は視察の担当であるため、実際の指揮を執ったのはあくまでも担当教官だった。訓練中何かを指示することはない。指揮官である指導者の指示もまた的確であったかを客観的に見られる機会でもあったために、教官たちもいつも以上に気を引き締め、開始当初から緊迫した空気に包まれていた。
今日の反省を踏まえた上で、新たな問題点や改善点に着目した訓練を行うのだ。他の分隊長や訓練指導教官、団長のエルヴィン・スミスも交えて報告会を兼ねた会議が開かれることになるだろう。エルヴィンが二人に直接指示した「訓練指導」はその後になる。
リヴァイとしては自分の立場は弁えているが、基本戦闘に関しては自己流で身につけたことが多い為、「指導」などは出来かねると思っている。兵団生え抜きにして頭脳派のハンジに任せておきたいところだった。もっとも、エルヴィンがそれをよしとはしないだろうこともわかっていた。

ミカサもまた訓練前から少し緊張していた。兵士長であるリヴァイに無様な姿を見せたくない。
負けたくない気持ちと、失望されたくない気持ち。

訓練は概ね問題なかったのだが、もっとも優秀と言っていい兵士が、避けられるはずのミスを犯してしまった。そうは言ってもすぐに持ち直し、全体的な流れとしては滞りもなく予定した内容を恙無く終えたと言ってもいい。但し、避けられるはずなのと同時に、起こりうると誰もが思うような内容のミス、というのはある意味致命的だった。

「常にその場その場の判断が求められる。当然だな。巨人どもは俺たちが望むようには動いちゃくれねえ。ほんの一瞬だとしても、その一瞬で間違った判断下したら死ぬ。お前だけじゃねえ、仲間の命も巻き込む可能性がある。俺が言うことは、何かおかしいか」
「いえ、……」

わかっている。もちろん、わかっている。自分のせいで仲間を失うかもしれない。……エレンを、連れ去られるかもしれない。アルミンが怪我を負うかもしれない。よく知った同期かもしれない。厳しくも優しい先輩や班長かもしれなかった。

「お前、何やった。言ってみろ」
「指示された通りの攻撃が一瞬遅れました。そのせいで自分の右翼と左翼後方の仲間に、不測の事態に巻き込まれる可能性がより多くなったと思います」

ミカサは自分の狡さを自覚した。ことばを選んで誤魔化したのだ。自分がどんな失態を演じたのかを。

「その通りだ。もちろん、巨人と遭遇したらどの瞬間も不測の事態しかねえ。奇行種ともなりゃ余計にそうなる。俺たち調査兵団にとってエレンは最優先事項だ。確かにな。だが、仲間の命を徒に危険に晒していいとは言ってねえ」

その狡さを指摘しないのは時間の無駄を省くためなのか。はたまたリヴァイの優しさなのだろうか。

「……はい、……」
「気にかけろって言われたら逐一エレンだけ見てりゃいいのか。ふざけやがって」
「すみませんでした」
「エレンはそこまで使えねえか」
「! そんなことはない! エレンは努力と実力で訓練兵として優秀な成績を修めている! なかなか兵士として力を発揮する機会を得ていないだけで、」
「なら赤ん坊でも気にかけるみてえにいちいちアレばっかり見てんじゃねえよ。前に敵が居んのに斜め後方のエレンか、ああ?」

苛立った口調で、しかし淡々と詰られた。声を荒らげるでもなく、実に的確に。それが酷く嫌味に聞こえてミカサは悔しさに唇を噛んだ。

その時、視界の端に映ったのだから、どうしようもない。

「わかってんのか。あれが実戦だったら、お前が運良く生きられたとしても、仲間が死んでたかもしれねえんだ」

そうだ。あれが実戦だったら。そう考えたからこそ、怖くなった。予期せぬ攻撃をうまく交わせなければ。自分がすぐに対応出来なければ。失ってしまうかもしれない。

「ミカサ。聞いてんのか。優等生の耳にゃ忠告は届かねえってか」
「違います」
「なら俯いてねえでちゃんと、」

もし、失ってしまったら。あの血の匂いと張りつめた空気に満たされた森の中で、私は我を失って、……エレンを奪い返すだけでよかったはずなのに、私を助けようとしてそのせいで――

「何があっても、なすべきことをします。だから、」
「その為ならその時の作戦の在り方無視してまでエレンだけ優先させるか」
「そうではない! 私は!」
「何だ」

ミカサは顔を上げた。瞳がリヴァイのそれを射抜いた。

「私が見ていたのは、あなたです!」

言われた側より言った本人が驚いたように目を見開いた。リヴァイは思わずことばを失った。

「あ?」
「す、すみません。これで失礼していいですか」
「オイ、」

許諾のことばも待たずに、ミカサは踵を返した。

リヴァイは前髪をかき上げてため息をついた。去ってゆく背中をただ間抜けに見送っている。それはあっという間に小さな粒になって視界から消えた。

「馬鹿が……」

:いやだから笑いはどこへ行ったのですか…。
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リヴァミカ

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